カリフォルニアロール「のり」が内側の理由
今日のお昼に、クラブハウスで色について話すRoomを開きました。
その中で、アメリカでシェフをしている方に教えて頂いたお話で、アメリカでは食事に黒を使うのは敬遠されているというお話を伺いました。
例えばカリフォルニアロール。アメリカでは黒のお料理はあまり好まれないから、のりを内側に巻いているんだよ〜。と。
なるほどな〜。とても興味深いな〜と思い少し考察を残すことにしました。
アメリカ人が持つ黒のイメージ
下記の記事によると、
アメリカ人が持つ黒のイメージは「高級」なイメージと共に「死、不吉、失望」といったマイナスイメージを持っています。
https://www.archetyp.jp/blog/color-of-world/
とのこと。
生きることに直結する食事の中に、「死」をイメージしてしまっては、食欲をそそるはずがない。
日本人と同じように、高級感という黒に対するイメージは持っているようだ。
アメリカ人にとっての黒い食材
アメリカは一度しか行ったことがありませんが、その旅行中で黒い食材が出てきたかと言われれば…ちょっと思いつきません。
黒いオリーブやプルーン、ブルーベリーあたりなのでしょうか?
日本食で登場する「のり」のように、黒ベタの食材は確かにイメージにないですよね。
アメリカ人といえば、肉食というイメージがあります。
欧米人にとってはやはり、赤い血が滴るような豪快なステーキが食欲をそそる傾向にあると推測されます。
そのほかにもピザやケチャップ、パプリカなどとにかく赤い料理は多かったような印象がありました。
アメリカには海がない内陸地域が広大に広がっています。「のり」をはじめとした海藻類などの黒い食材は食べる機会が少なかったのだと考えられます。
そして、狩猟民族として過ごしてきたアメリカ人にとって、赤い肉は鮮度の良い証、逆に黒ずんだお肉は鮮度が落ちた証拠と考えられてきたのではないでしょうか。
日本人にとっての黒い食材
欧米では、赤、黄色、緑は食欲をそそる色と考えられていますが、日本人にとっての食欲をそそる色は、赤、黄、緑そして「白」と「黒」は欠かせません。
日本の中で黒い食材と言えば、のり、ひじき、昆布、黒ゴマ、しいたけ、小豆など、滋養が高く栄養がある食べ物と認識されています。食卓の上にも日常的に登場する色です。
島国日本では、海に面している地域も広く、魚や海藻を食べる機会は多かったのでしょう。
「のり」の栄養を吸収できるのは日本人だけ!?
フランスの研究チームの報告によると、日本人から、海藻に含まれる多糖類を分解できる腸内細菌が見つかったが、アメリカの人からは見つからなかったとのこと。
4/8のNature誌にフランスの研究グループが発表したそうです。海藻の糖類を人間は普通は消化できませんが(だから,海藻はノンカロリーなどといわれるわけですが),海にすむバクテリアの中には,海藻の糖類を分解できるものがあります。分解酵素を持っているんですね。
で,日本人とアメリカ人の腸内細菌を調べたところ,日本人由来の腸内細菌からはこのバクテリアの分解酵素と同じ遺伝子配列が見つかったそうです。
https://www.nikkei-science.com/?p=14210
日本人は、黒の栄養価を腸レベルで知っている!
日本人はこれまで、海の恵をいただくという伝統的な食生活の中で、海藻(黒)を食べることが健康に繋がるということを、腸レベルで体得しているので、黒い食べ物で食欲が湧く。
ところが欧米人にとっては黒い食材(海藻)が持つ栄養価に馴染みがない。さらには腸レベルでは、栄養になりません〜。と判断されているから食欲が湧く色として認識されてないのかもしれない。
ヨーロッパでは黒フードが注目されてる?!
とはいえヨーロッパでは、黒=栄養価が高い!という事で、黒フードがトレンド!という記事も発見。
https://hue-hue.com/media/stockfood01/
日本の食文化である海藻を取り入れた料理に注目が集まりつつあるとか。
この認識がアメリカにも広がっていけば、アメリカで黒フードブームが到来する日もそう遠くはないかも?しれない…!!